「日本紳士録」休刊
「日本紳士録」が休刊するそうです。
この4月に発行された第80版で休刊するそうです。 初版は明治22年(1889)で、福沢諭吉の提唱で設立された社交団体が発行したそうです。 当時の納税額を基準に著名人2万8千人が名を連ねたようで、まあ、言って見れば、当時の上流階級と言うか、いわゆる「サロン」の名簿の様なものだったのでしょうか。
掲載は無料で、氏名、住所、出生地、最終学歴、現職、勤務先住所、配偶者名など、20項目が記載されています。 これに掲載される事が一つのステータスシンボルとなったのか、掲載件数は2000年に最大の14万件に達したそうです。
ところが、他の例に漏れず、この紳士録を悪用した詐欺が相次ぎ、個人情報保護法が施行されたころより、掲載を拒否する人が急増し、第80版は10万人を下回ったそうで。 出版社は「日本紳士録は使命を終えた」として休刊に踏み切ったようです。 出版社も近く解散するそうです。
他社の同類の出版物「人事興信録」や「人物文献情報 WHO」、「現代日本人名録」なども同じような傾向だそうです。
最初にこのような傾向が出たのは、確か、NTTの電話帳ではなかったかと記憶しています。 昔は電話を引くと電話帳に載るものだと自然に思っていましたし、また、電話帳は本来の目的のためには非常に便利なものでした。 しかし、あるときから、電話帳への記載の可否を聞かれるようになり、実際に、電話帳で調べたとしか思えないような勧誘の電話が相次いでくると、その本来の目的のメリットが霞んでしまって、「電話帳には載せて欲しくない」と言う気持ちが勝ってしまうようになってきたものです。
アマチュア無線の世界には、同じように「アマチュア無線局名録」と言うものがありました。 その昔には、CQ出版社より何年かおきに発行され、毎月のCQ誌には付録として新しく開局した局の名簿が追補版として発行されていました。 局名録には当時の電波監理局に申請した内容が記載されていて、確か、氏名、生年月日、住所、所有免許、勤務先などが記載されていたように記憶しています。 今のHamLogなどがない時代ですから、大変便利に使っていたものです。 今の時代には考えられないおおらかな時代だったのですね。 この局名録も、今は「JARL会員局名録」として、個人情報保護法に合う形に改めらていますので、局名録も「歯抜け」の状態で、廃局しているのか、JARL会員ではないのか分からないようになってしまって、役に立たなくなってしまいました。
その他、学校の同窓会名簿やゴルフクラブの会員名簿など、悪用されないためや、個人情報保護法対応で、その本来持つ役割が果たせなくなり、名簿としての意味を持たなくなっているものが増えています。
そういえば、個人情報保護法が施行された時は、当時勤めていた会社の中で、部署内の懇親会名簿を作るのさえ「要注意」と言う通達が出ていた事もありました。 僅かな悪用者のために、本来持つべき有用な機能が阻害されていくと言うのは寂しい事ですね。
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