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2008年7月18日 (金)

WSJT7によるWSPR通信

 いつも利用している、こちらのサイトで、WSJTの新しいバージョンであるWSJT7と、WSPRのバージョン1.0がリリースされているのを知り、早速、使ってみました。

 主たる改造点は、伝搬特性のレポータであったWSPRを2ウエイQSOができる様な仕様に改変した事のようです。 WSPRはこの新しいメッセージ仕様を満足する様な形で、リポータの形のままバージョン1として正式なリリースとなり、WSJTはWSJT7として、この新しいWSPRの通信モードを含んだ形でベータリリースになっています。

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【補足 (2008.12.05) 】
 以下に、WSJT7の関連記事を記述していますので、こちらもご覧下さい。
 WSJT7によるWSPR通信 この記事、WSJT7、WSPRモードの説明
 14MHzのWSPR 14MHzでWSPRを発見、交信成立
 3.5MHzのWSPR 3.5MHzでWSPRを発見
 144MHzでWSPR実験 144MHzでWSPRの通信実験を実施
 144MHzでWSPR実験-2 144MHzでのWSPRの通信実験その2です
 JT2通信実験 3.5/7/144MHzでのJT2モードの通信実験です
 JT2/JT65B通信実験 3.5/7/144MHzでのJT2/JT65Bモードの通信実験です
 JT2/JT65B通信実験-2 3.5/7/144MHzでのJT2/JT65Bモード通信実験-2です
 JT2/JT65B通信実験-3 3.5/7/144MHzでのJT2/JT65Bモード通信実験-3です
 JT65C/JT2/JT65B通信実験-4 1200/3.5/7/144MHzでの通信実験です
 JT65C/JT2/JT65B通信実験-5 1200/3.5/24/28/144MHzでの通信実験です
 JT65A通信実験 3.5MHzでの通信実験です

 WSJT6関連の記事一覧は、こちらにありますので、ご覧下さい。
 WSPR関連の記事一覧は、こちらにありますので、ご覧下さい。
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 とりあえず、マニュアルをざ~っと読んでいると、くだんの局がテスト電波を出しておられるので、早速呼んでみました。

 最初は、マニュアルを充分に読まずにコールしたので、コールサインが上手くデコードできませんでしたが、ちゃんとしたシーケンスを踏んでコールすると、見事にデコードできました。 さすがに微弱信号通信用だけ有って、パワーを、これ以上絞れないぐらいに絞っていても強すぎます。

080718_wsjt7_wspr_qso01

 SpecJTに表示される軌跡も細く、占有帯域幅が狭い事が分かります(画像には、若干QRHが有ります)。

080718_wsjt7_wspr_qso02

 さて、そんなんで、今日は、一日掛けて、リリースノートを読んでいました。

 以下、WSJTのサイトからダウンロードできる "Using WSPR Mode in WSJT7" と言うドキュメントの和訳です。 なにぶん、素人訳ですので、誤訳の程は、ご勘弁を。

 なお、WSJT7のマニュアルは見つかりませんが、WSJT6のマニュアルおよびJT65プロとコルについては、WSJTのサイトより日本語訳をダウンロードする事が出来ます。

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WSJT7におけるWSPRモードの使用法                 ジョー・テイラー、 K1JT

クイック・スタート:
 もしWSJTのJT65モードに既に慣れておられるならば、ここに、WSPR QSOモードとJT65の間の操作の違いの要約があります。

1.WSPRは1分でなく、2分のT/Rシーケンスを使います。

2.構成されるメッセージは微妙に異なります。 <…>ブラケットで囲まれたコールサインは、ハッシュ・コードとして送られます(以下を参照)。 シグナルレポートは、S1からS9が使われます。 S1はWSJTのスケールで、S/N=-30dB、S2は-27dB、・・・、S9は-6dBとなります。 いくつかの「缶詰にされている」 および 「部分的に、缶詰にされている」メッセージが、8文字までの自由なテキスト・メッセージと同様に準備されています。 詳細は、表1および、残りの文章を参照してください。

 (訳注)「缶詰にされている」とは "canned" の直訳です(^^;) 表1にある、既定のメッセージの事だと思います。

3.Tx6メッセージボックス上を右クリックすることにより、スペシャルメッセージ用のテンプレートリストがポップアップします。 使いたいメッセージをクリックし、必要なら、そのメッセージの小文字部分を適切な言葉または数字置き換える編集をしてください。 OKをクリックすると結果がTx6にコピーされます。 シフト+F2でスペシャルメッセージに使う事が出来る言葉のリマインダーが出てきます。 指定されたメッセージ・フォーマット内に納まる様に注意してください。

4.JT65と同じように、デコードされたテキストボックスのコールサインをダブルクリックする事により、「To Radio」に転送され、適切なシグナルレポートが付いた標準メッセージが生成されます。 右ダブルクリックすると、左クリックと同じ動作をした上で「Auto」がオンになります。

 WSPRモードQSOを始める時には、必ずこのドキュメントの残りを読んでください!
そして、どうぞ、k1jt@arrl.netにコメントと提案を送ってください。

背景:
 WSPRモードは2008年3月に作成されました。 名前は「whisper ウイスパー(ささやき)」と発音されています。 ウイスパーは、非常に弱い信号のために設計されたモードとしては適切と思われます; WSPRとは「Weak Signal Propagation Reporter(微弱信号伝搬レポータ)」の頭文字で、プロトコル、および、それをインプリメントしたコンピュー・プログラムの両方に使用されるようになりました。 プロトコルは、LF、MFおよびHFバンドでのQRP送信機により発生されるビーコンみたいな信号として開発されましたが、非常に弱い信号でQSOする用途の可能性にも眼が向けられています。 WSPRは、高度の圧縮、強度の前方誤り訂正、送信機と受信機の間の正確な時間および周波数オフセットを確立するための埋め込み同期ベクトル、そして、1.46ボーの4値FSKを使って構造化したメッセージを使用しています。 送信は2分より僅かに短く終了します。 総帯域幅は約6Hzなので、WSPR信号はJT65B信号の帯域幅の約1/60、20wpmのCWの帯域幅の1/4の帯域幅です。 沢山のWSPR信号は、ほとんど互いの衝突なしに、数百Hzのスペクトルに入ることができます。 以下のスクリーンショットは、アマチュア無線の30mバンドの200Hz区間で使用されているWSPRプログラムを示します。

 WSPRプログラムは、2分の利用可能スロットの特定の区間で送信し、残りの区間では受信します; 代表的な「送信パーセンテージ」は25%です。 メッセージは、コールサイン、グリッド・ロケータ、および、dBmで表された送信パワーから構成されます; HFバンドにおいては、ほとんどのオペレーターが100mWから5Wのパワーレベルを使用しています。 以下のスクリーンショットで分かる様に、WSPR信号は、2500Hzの標準参照帯域幅の中で、信号対雑音比-29dBぐらいまで解読することができます。 JT65と同じように、強力な前方誤り訂正により、ほとんど全てのメッセージは、いつも送信したままで正確に受け取られるか、あるいは全く駄目と言う事が保証されています。

080718_wsjt7_wspr_mode01

WSJTのWSPRモード:
 WSPRプロトコルは2ウエイコンタクトを実現させるための有用なメッセージタイプを含めるために拡張されました。 そのようなQSOに対する機能はWSJTバージョン7に組み込まれました。 新しいメッセージタイプは、表1のテンプレートおよび実例によって示されています。 テンプレートの中で示されている様に、大文字と数字はそのまま伝えられます。 小文字の項目は、適切な値と置き換えます。 例えば、call=K1JT、grid=FN20、rpt=S1 から S9、name=VICTORIA、wx=SNOW、freetext=CUL JACK 等々、右側の例に示されるとおりです。

 WSPRメッセージは、1つのフルコールサインと、1つの「ハッシュコード化された」コールサインを含んでいます。 ハッシュコードの送信は、<K1JT>の様にコールサインを囲む鍵括弧によって示されます; 鍵括弧は送信および受信メッセージの両方に表示されます。 ハッシュ化は「多数から1へのマッピング」なので、処理は可逆的ではありません。 しかしながら、フルコールサインが前の送信でデコードされている場合、デコーダはマッチングハッシュコードが通常マッチングコールサインを意味すると仮定します。 15ビットのハッシュ・コードを使っており、特に特定のQSOに限られているので、誤認する可能性は非常に低いです。

表1. WSPRメッセージのテンプレートおよび例

080718_wsjt7_wspr_mode02

 WSPRモードを使用する最も短いQSOは、以下のメッセージシーケンスになります;

080718_wsjt7_wspr_mode03

 始めから、このQSOを聞いている第三者は、交信している局と同じように全文をコピーできます。 たとえ、QSOしているうちの一方だけしか第三者の局でコピーすることができなくても、交信している両方のコールサインを全て受信する事が出来ます。 もし、第三者がQSOの途中からチューンした時は、第三者のデコーダは、ハッシュドコールサインを識別する事が出来ませんで、フルメッセージの代わりに、以下の様なものを表示します。

  W6CQZ <...> S4

 その第三者は不明なコールサインの識別のためには、他にダイアルを回さずにいなければなりません。 QSOしている双方には曖昧さは有りません。 ハッシュコードが必要となる前に、フルコールサインは常にデコードされています(あるいは自分の呼び出しの場合には、既に利用可能になっています)。 シグナルレポートは、S1はWSJTでの-30dBに相当し、S2=-27dB、S3=-24dB、など、S9=-6dBまでとなります。 このスケールで、耳で聞こえる信号のしきい値はS5からS6あたりです。 プレースホールダー「p/」は、ZB2/DF2ZCあるいはDH7FB/Pのような複合コールサイン中のアドオンプリフィックスかサフィックスを表わします。 プリフィックスかサフィックスを伝達する情報はグリッドロケータあるいはハッシュドコールサインを運ぶ情報に交換されます。

 表1の中の小文字の項目「pwr」、「gain」、「temp」および「freq」は数字が有効です。 2mのEME局は、自分の設備関して、QSO相手に以下の様なメッセージを送るかもしれません。

  1500 W 21 DBD

 同様に、QRP HF 局は、以下の様なメッセージを送るかもしれません。

  1 W 0 DBD

 または

  5 W DIPOLE

 オペレーターが80mでのQSOを終了し、次に160mにトライする時は以下の様なメッセージを送るかもしれません。

  PSE QSY 1811 KHZ

 天気のレポートは、「wx」にCLEAR、CLOUDY、RAINあるいはSNOWにをセットすることにより伝えることができます; 「temp」は、76Fあるいは-5Cのような値にセットします; 「wind」は、CALM、BREEZES、あるいは、WINDYにセットされます。 「name」は9文字までです。 また、「freetext」は、8以下の文字のどんなコンビネーション、数字、スペースおよび句読点 + . / ? を含んでいてもかまいません。 スペースは、WSPRプロトコルの中で、いくつかのオンエア経験が得られた後で、テンプレートの最終的なグループの様に、より多くの「缶詰にされている」または「部分的に、缶詰にされている」メッセージの為にリザーブされています。

 以下のスクリーンショットは、(シミュレートされた)WSPRモードでQSO中のWSJTを示します。 ウオーターフォール上の信号軌跡の非常に狭い帯域幅に注目してください。 ここで表示されている信号は、耳で聞こえるしきい値より、ほぼ10dB下回ります。

プロトコル仕様書:
 WSPRプロトコルの基本スペックは表2に示されます。 JT65モードとの比較についても示されています。 WSPRメッセージ・ペイロードは1つの送信当たり50ビットです; ほとんどのメッセージは、スタンダードコールサインに28ビットを、ハッシュコード化されたコールサインまたはグリッド・ロケータに15ビットを使用します。 残りの7ビットはシグナルレポート、アクノレッジ、パワーレベルおよびスペシャルメッセージタイプに使用します。 スペシャルメッセージは、最初の43ビットを任意の特定目的に使用することができます。 WSPRプロトコルは、12000/8192の=1.46Hzと等価のトーン間隔とキーイングレートを持つ連続位相4値FSKを使っています。 おのおのの送信は (50+K-1) × 2 = 162 チャンネル・シンボルを含んでいます、また、それぞれのシンボルは、データ・ビット(MSB)および同期ビット(LSB)の両方を伝達します。 送信は 162*8192/12000=110.6 s には終了します。

080718_wsjt7_wspr_mode04

表2.JT65とWSPRプロトコルの基本スペック

080718_wsjt7_wspr_mode05

感度:
 WSPRモードおよび他の微弱信号コミュニケーション・モードの感度比較は、表3に示されます。 想定条件は、ホワイトノイズの付加、フェージングなし、およびドップラースプレッディングは1Hz以下です。 WSPRは、ドップラー・スプレッディングが約1Hz以下で、参照帯域幅2500HzでのS/Nが-29dBを超える、どの様な伝搬パスでも有効の様です。 この様なパスは、アマチュア無線家が興味のあるほとんどのLF、MFおよびHFパスを含んでいます。

表3.CW、JT65BおよびWSPRの概略感度比較

080718_wsjt7_wspr_mode06

 LF、MFおよびHFで主として使用するために設計されましたが、WSPRモードは144MHzのEMEでもテストされました。 144MHzのEMEのパス上でもうまく働きます; しかしながら、一般的な EME使用のため、JT65と比較する場合、いくつかの明白な欠点を持っています。 2分のT/Rシーケンスは、QSOが2倍長くなることを意味します; さらに、100%デューティの2分送信は、ハイパワーアンプに、より大きな熱ストレスを加えます。 私は、WSPRが、あまりにも大きなドップラーブローディングのために、(現在の形では)432MHz以上に有効であるとは思いません。 1分のT/Rシーケンスを保持し、WSPRとほとんど同じパフォーマンスを達成する、別の可能性あるモードは、現在研究中です。

 WSPRとWSJTは、WSJTホームページ(physics.princeton.edu/pulsar/K1JT/)よりフリーダウンロードが可能です。 これらのプログラムはすべて、Gnu General Public Licenseの下で許可されたオープン・ソースです。 それらは、Windows、Linux、FreeBSDおよびOS/Xの下で使用することができます。 他の興味を持つアマチュアによるプログラムへの貢献を奨励いたします。 ソース・コードはdeveloper.berlios.de/projects/wsjt/でオープンリポジトリで維持されています。

 WSPRとWSJTの最近の開発に著しく寄与しました G4KLA、VA3DB、W1BWおよびW6CQZに特別の感謝の意を表します。
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